つい最近、JRA(Japan Racing Association)が馬場の新たな指標であるクッション値を公表し始めました!
そこで、クッション値は馬券攻略の手がかりになるのか考えていきます!
・どんな指標なの?
クッション値とは、
競走馬が馬場に着地した際の反発力を数値化したもの
です。
数値が高いほど、反発力が高いといえます。
特殊な素材を使ったランニングシューズをはくと、速く走れる感覚に似ていると思います。
・基準は?
芝馬場のクッション値の基準は下表の通りです。
芝馬場のクッション値 | 馬場表層のクッション性 | 馬場表層の水分状態 |
---|---|---|
12以上 | 硬め | 乾燥気味 |
10~12 | やや硬め | |
8~10 | 標準 | |
7~8 | やや柔らかめ | |
7以下 | 柔らかめ | 湿潤気味 |
JRAより引用
なお、JRAが2019年にイギリス・フランス・香港・オーストラリア・アメリカの主要競馬場を測定した結果、クッション値は概ね「7から10」の範囲内だったそうです。
また、参考値をいくつか載せておきます。
詳しくはJRAのホームページをご覧ください。
舗装種類 | クッション値 | 用途等 |
---|---|---|
人工芝 | 18 | 東京競馬場下見所 |
芝 | 9 | サッカー場 |
ニューポリトラック | 7 | 美浦トレーニング・センター調教コース |
ウッドチップコース | 4 | 美浦トレーニング・センター調教コース |
畳 | 7 | |
体育マット | 5 |
JRAより引用
・クッション値の特性
馬場表層の含水率と密接な関係があり、含水率が高くなるほど低い値になる傾向があります。

JRAより引用
また、右図のように、含水率が芝の根より下の部分の水分状態を測定するのに対して、クッション値は芝の表面の反発力を測定するため、芝の生育状況も反映します。
このことから、良馬場は良馬場でも、クッション値は異なる値を示すことがあります。
・芝の種類でも変わる

JRAより引用
右図のように、札幌・函館競馬場で使用されている洋芝は地下部分に細い根が密集したマット層を作るのが特徴です。
また、保水量も多いことから、クッション値は野芝よりも低くなりやすいです。
一方で、本州以南の競馬場で使用されている野芝は、ほふく茎が地表をはうように広がっていて、競走馬の脚の支えとして重要な役割を担っています。
保水量も少なく、クッション値は洋芝より高くなりやすいです。
洋芝は体育マット、野芝はサッカー場の芝というイメージでいいと思います。
・クッション性の管理
JRAでは全ての競馬場で「エアレーション」と「シャタリング」という、クッション性を保つための作業を開催前に行っているそうです。
詳しくはホームページで確認してください。
・どうやって測るの?
クレッグハンマーという、サッカー・ゴルフ・ラグビー場でも使われる機器を使う。
1つの場所に4回連続で落として、4回目の値を測定値とする。
1地点につき5か所測定した平均値をその場所のクッション値とする。
公表されるのは、そのすべてを平均した値
なんか、ややこしい!!
例えば、

JRAより引用
上図の中山競馬場なら、赤丸の地点につき、5か所で測定をした平均値をすべて(この場合は3か所)で平均にした値がクッション値になります。
測定された値は金曜の昼過ぎと土日の朝(9:30頃)にホームページに公表されます。
JRAのホームページの左上にある競馬メニューから馬場情報を選んで確認できます。
・馬券購入に役立つのか?
あくまで個人の意見ですが、例えば、今年のエプソムカップのように不良馬場でも、そこそこのタイムが出るようなレースでは、馬場状態は不良でも、クッション値は8~10という値になると予想できます。
つまり、馬場状態とクッション値を上手く組み合わせて予想することが大切になってきそうです。
このレースなら、
「馬場が相当荒れているから、差しは届きにくいだろうなぁ」
「その割には、クッション値は標準で収まっているのかぁ」
「てことは、余計に前が止まらなくなるだろうなぁ」
という思考を経て、前につけられる馬を中心に馬券を組み立てることができます。
逆に、良馬場でもクッション値が7などと低ければ、時計がかかりそうだと見当をつけられるはずです。
もう一つ例を挙げると、2018年のジャパンカップは開幕最終週でしたが、アーモンドアイが世界レコードを出して優勝しました。
このレースはキセキがよどみないペースで逃げたこともレコードの要因ですが、おそらくクッション値もかなり高かったのだと推測できます。
このように、芝の見た目や馬場状態だけでは知ることのできない状態をクッション値は示してくれるはずなので、今後の予想に取り入れて、さらに的中率を上げられるといいですね!
・まとめ
今回は新しい指標のクッション値についてまとめました。
まだまだ、情報が少ないので今後も的確に見極めて、馬券の的中率を高めていきたいです!
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