キルロードがどうして高松宮記念で3着に来れたのかを、自分なりに考察した記事となっています。
※前置きに興味がない方は、回顧まで飛んでください。
前置き
日曜日に行われたGⅠ高松宮記念。
好スタートを決めた対抗のレシステンシアだったが、好スタートから数秒後に、「何か違うぞ、これは」と直感が訴えてきた。
そのまま、重馬場を前半3ハロン33.4秒で通過した時に、これは止まるかもしれないなぁと、、、嫌な予感が浮かんだ。
そして、むかえた直線。
僕の本命グレナディアガーズは、外からジリジリ伸びるだけで、早々に見切りがついた。
レシステンシアはというと、残り200mあたりで、沈みかけていた。
その後、差し返しての6着と自力は示した格好になった。
そんな中、1頭のとんでもない穴馬の名前が、実況から騎手名とともに、耳に飛び込んできた。
「キルロード、菊沢一樹!!」
残り100m付近では一度先頭に立つと、最後は差されるもわずかに残しての3着で、3連単270万円超えの大波乱の主役となった。
正直、「えぇー、なんで」と思った人が多かったのではないだろうか。
恵まれたにしても、能力がないとGⅠの舞台で3着には来れない。
GⅠでは、恵まれたというような言い訳は、2019年の高松宮記念3着ショウナンアンセムを除いて、存在していないと信じている。
そこで今回は、どうしてこの馬が3着に来れたのかを探っていきたい。
回顧
①血統面でのスプリント適性への裏付け
キルロード | ||
---|---|---|
ロードカナロア (欧)キングマンボ系 | キングカメハメハ (欧) | Kingmanbo |
マンファス | ||
レディブラッサム | Storm Cat (米)ストームバード系 | |
サラトガデュー | ||
キルシュワッサー | サクラバクシンオー (日)プリンスリーギフト系 | サクラユタカオー (日) |
サクラハゴロモ | ||
ナミビア | Seeking the Gold (米)ミスプロ系 | |
Going Ashore |
この馬の血統構成として、父ロードカナロア・母父サクラバクシンオーというスプリントの血が色濃い配合であることが挙げられる。
また、母母父には米国のスプリント血統であるSeeking the Goldを内包している。
Seeking the Goldに関しては、「スプリント戦の名血で、絶対的な能力はサンデーにも引けを取らない。また、短距離やパワー勝負なら、サンデーサイレンスよりも互角以上といえるだろう。」と亀谷敬正氏が動画内で説明しているほどだった。
特に、スプリント戦は、サンデーサイレンス系の主流血統よりも、米国的な能力を強化された馬の好走率が高いので、血統の重要性は他の距離よりも高いと言えそうだ。
実際、今年の上位3頭の父は、1着から順にダートで活躍したゴールドアリュール、ロベルト系のPoint of Entry、そして、名スプリンターのロードカナロアだったことからも、短距離戦においては、普段以上に血統を重視した予想を組み立てることも得策になりうる。
②中京と重馬場への適性
この馬は、約2年前に中京1200m・不良馬場で勝利した経験を持っていた。
今回の馬場がマッチしたことは過去の戦歴から判断できる。
またダートでも好走歴があり、道悪なら他馬よりも相対的に力を出しやすかった状況と言えるだろう。
③重馬場による、決着タイム
この馬のこのレースの前までの芝1200mの持ちタイムは、1:08.3で福島TVOP1着と前走のオーシャンステークス6着である。
そして、高松宮記念のこの馬の走破タイムは、、、またしても同タイムの1:08.3だった。
つまり、この馬のスプリントで発揮できる、ギリギリ閾値のタイムだったと推測できる。
逆に言えば、この点に気づいていれば、馬場傾向を踏まえて、おさえること(複勝で100円とかワイドで本命から流すとか)はできなくもなかった言えそうだ。
結論として、パンパンの良馬場ではまず無理だっただろうが、前日の雨で内から乾いたために、相対的に内を通った馬が恵まれた中でのギリギリの3着といえるだろう。
今後は逆にこういった1:08以上かかる馬場状態で狙って、それ以外は軽視する選択がベターだろう。
さらに、今回の3着で当分は人気するだろうから、まず買いづらい馬になった。
しばらく様子を見ながら、馬場傾向と照らし合わせて狙いを定めていきたい。
まとめ
今回の激走を振り返ると、この馬を絶対に抑えられなかったわけではないといえるだろう。
出走してくる以上はどの馬にもチャンスは有り、「競馬に絶対はない」を改めて痛感したレースといえる。
ただ、こうした馬を拾えるかどうかは、普段からどれだけ人気薄を狙う意識を持っていること。
また、外れ続けていても、いい意味でフラットな精神状態でいられるのかにかかっていると言えそうだ。
少しずつでも激走パターンを知ることで、いつか高配当にありつけると信じている。
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